はじめに
2025年、ついに水道料金が値上げされるニュースが話題になっています。食費や光熱費など家計を取り巻くさまざまなコストが増える中、水道料金の値上げは多くの家庭にとって無視できない問題です。特に子育て世代にとっては、家族が多ければ多いほど水道代もかさみやすく、家計への影響が気になるところでしょう。
水は生活に欠かせないライフラインのひとつですが、日々の使い方次第で水道料金は意外と抑えられます。
この記事では、水道料金が値上げされる理由や時期について詳しく解説し、すぐに実践できる節約術をお伝えします。4人の子どもを育てながら薬剤師として働き、さらにファイナンシャルプランナー(FP2級)の資格を持つ筆者が、家計管理の視点からも役立つアドバイスをしますので、ぜひ参考にしてください!
2. 水道料金が値上げされる理由とは?
水道料金の値上げには、主に以下の3つの理由があります。
① 老朽化した水道設備の更新費用
日本の水道インフラは高度成長期に整備されたものが多く、現在は老朽化が深刻な課題となっています。
水道管の寿命は40年程度とされていますが、都市部を中心に寿命を超えた水道管が増えているため、大規模な改修工事が必要です。そのための費用が水道料金に反映されることが、値上げの大きな理由です。
② 人口減少による維持費負担の増加
人口減少とともに水道の利用者が減少している一方で、設備の維持費は変わりません。その結果、一人あたりの負担額が増える構造になっています。特に地方では顕著であり、自治体によっては水道料金が他の地域よりも高くなるケースも見られます。
③ 物価上昇やエネルギーコストの増加
水道水を供給するためには浄水場の運営やポンプの電力が必要です。最近ではエネルギー価格の高騰や物価上昇が水道事業のコストに影響を与えており、これも値上げの一因です。
こうした理由から、2025年の水道料金値上げは避けられない状況ですが、だからといって家計を圧迫させる必要はありません。次の章では、水道料金の値上げ時期や規模について具体的に解説します。
水道料金の値上げはいつから?どれだけ上がる?
水道料金の値上げは地域や自治体によって時期が異なるため、全国一律ではありません。しかし、2025年は多くの自治体が料金の改定を行う年とされており、いくつかの地域ではすでに具体的な時期と値上げ幅が発表されています。
例えば、都市部では2025年4月以降に値上げが予定されているケースが多く、平均して10%~15%程度の値上げが見込まれています。一部の地方都市では、より大きな値上げ幅が検討されている場合もあるので注意が必要です。
水道料金の値上げ状況:具体例
※以下の情報は2024~2025年の各自治体の発表データを基にしています。
1. 東京都(東京23区)
- 改定時期:2025年4月
- 平均上昇率:約15%
- 改定前後の水道料金の例
- 改定前:基本料金+従量料金で月額約2,200円(20㎥使用時)
- 改定後:月額約2,500円程度(20㎥使用時)
東京都では老朽化した水道管の更新や施設維持費の増加が背景にあり、10年ぶりの値上げです。
2. 大阪市
- 改定時期:2025年6月予定
- 平均上昇率:約12%
- 改定前後の水道料金の例
- 改定前:月額約1,900円(20㎥使用時)
- 改定後:約2,150円(20㎥使用時)
大阪市でも設備の更新費用が大きな理由ですが、これまで比較的安価な水道料金を維持してきたため、上昇率が高めになっています。
3. 札幌市
- 改定時期:2024年10月
- 平均上昇率:約18%
- 改定前後の水道料金の例
- 改定前:月額約2,400円(20㎥使用時)
- 改定後:約2,850円
札幌市では寒冷地特有の水道管破裂や老朽化問題が深刻で、全国的にも上昇率が高い部類です。
4. 福岡市
- 改定時期:2025年4月
- 平均上昇率:約10%
- 改定後の月額例
- 改定前:約2,000円(20㎥使用時)
- 改定後:約2,200円
福岡市では人口増加に伴い水道設備の強化が急務となっており、その費用が値上げに反映されています。
上昇率が特に高い都市
- 札幌市(約18%増)
- 熊本市(約20%増、2024年に改定済み)
- 千葉市(約15%増、2025年4月予定)
これらの都市では、人口動態や設備の老朽化状況、周辺都市との格差調整が値上げ幅に影響を与えています。各自治体の情報をチェックしよう
水道料金は市町村が運営する水道局が管理しているため、具体的な値上げ時期や金額は自治体ごとに異なります。自分が住んでいる自治体のホームページや広報紙を確認することで、最新の情報を把握できます。また、自治体によっては家計に配慮した減免措置や補助金制度が用意される場合もあるので、見逃さないようにしましょう。
こうした情報を早めに確認し、必要な対策をとることが大切です。次の章では、水道料金を節約するための具体的な方法をご紹介します。
水道料金を節約するための方法
水道料金を節約する方法は、日常生活の工夫から節水アイテムの活用まで多岐にわたります。ここではすぐに実践できる方法をいくつかご紹介します。
① 日常生活でできる節水術
ちょっとした意識の変化で、毎月の水道代を大きく節約できます。
- シャワーの使用時間を短縮する
シャワーは1分間で約12リットルもの水を使います。シャワーを5分短縮するだけで、1日60リットル、1か月で1,800リットルの節約が可能です。 - トイレの流し方を工夫する
トイレは家庭内で最も水を使う場所です。「大」と「小」のレバーを適切に使い分けるだけでも節水効果があります。また、トイレタンク内にペットボトルを入れて水量を減らす方法も有効です。 - 食器洗いはまとめて行う
水を流しっぱなしにせず、洗い桶を使うだけで水道代を大幅に節約できます。特に家族が多い家庭では効果が大きい方法です。
② 節水アイテムを活用する
節水アイテムを導入することで、さらに効率的な節水が可能です。
- 節水シャワーヘッド
節水シャワーヘッドは水の使用量を30%~50%程度カットできる優れもの。取り付けも簡単で、初期投資は数千円程度ですが、すぐに元が取れるケースが多いです。 - 節水蛇口アダプター
キッチンや洗面台に取り付ける節水アダプターは、蛇口から出る水の量を調整してムダをカットします。 - トイレ用節水タンク
トイレの水を貯めて流す量を調節できる節水タンクも効果的です。簡単に取り付けられる製品も増えているので、手軽に節約を始められます。
③ 家計管理アプリで水道代を「見える化」する
最近は家計管理アプリを活用することで、水道代の変動を簡単に把握できます。
- 家計簿アプリ「マネーフォワードME」や「Zaim」は、水道代をグラフで管理でき、節約の成果が一目でわかります。
- 支出を定期的に見直すことで、無意識の浪費に気づくことができ、節水意識も高まります。
5. おわりに
水道料金の値上げは避けられない現実ですが、日々の生活の中で少し工夫するだけで大きな節約効果を得ることができます。特に家族が多い子育て世代にとっては、水の使い方を見直すことが家計改善の第一歩です。
今回ご紹介した節水術や節水アイテムの活用は、無理なく続けられる方法ばかりです。まずはできることから取り組んでみましょう。また、節約の成果を家計管理アプリで「見える化」することで、モチベーションを保ちながら家計をしっかりと管理できます。
大切なのは、無理をせず楽しみながら節約することです。節約によって浮いたお金を家族のレジャーや教育費、将来の投資に回せば、家計の余裕も増していきます。家族の未来をより豊かにするため、賢く節約しながら、家計を守る選択をしていきましょう。